保護犬譲渡活動レポート Vol.7

保護犬譲渡活動レポート

ここからまた、一頭ずつ。

ペッツファーストの保護犬譲渡活動

ペッツファーストでは2013年より、保健所などから引き取った保護犬・保護猫の里親さんを探す活動を行っています。
コロナウイルスの影響を受けて、4月以降お店での譲渡はお休みしておりましたが、7月より再開いたしました。
再開してから既に何頭かの里親さんが決まっており、この活動ができることの喜びを改めて噛み締めております。
ここからまた、保護犬たちと里親さんの縁結びを1つずつ、積み重ねて参ります。

里親さんインタビュー

Interview No.7

今回の里親さんは、2018年3月にノアをお迎えいただいた、秋山みりさんのご家族です。
秋山家にはノア(推定 当時7歳)の他に、子犬の時にお迎えした先住犬のマロン(4歳)もいます。
個性の違う2頭と暮らす秋山さんに、保護犬と子犬の違いや、保護犬をお迎えする上で覚悟すべきことをうかがいました。

◉ 今回の保護犬|累計873頭目 ◉

ノアちゃん[トイプードル♀・推定9歳]

「ノア」という名前は、旧約聖書に出てくるノアの方舟に由来しているそうです。
また、フランス語で「黒」を表す「ノアール」からもとられています。
とっても素敵なお名前!

犬がとにかく大好き!だからこそ、初めては保護犬ではなく「子犬」をお迎え

(みりさん)
もともと犬がとにかく好きで、保護犬をお迎えしたいとずっと思っていました。でも、初めて飼う犬が保護犬だと知らないことばかりで難しいんじゃないかと思ったので、生後3ヶ月くらいの子犬だったマロンをお迎えしたんです。
(お母さん)
マロンを迎える時も、本当は保護犬をお迎えしようかと思って話もしていたんですけど、私たちは犬を飼ったことがなかったので自信もなかったし、マロンで慣れてからノアをお迎えして良かったと思っています。
経験がないと、本当に大変だったろうなと思いますね。

保護犬ノアとの出会い

(みりさん)
マロンを迎えて2年ほど経ったある日、ふらっと立ち寄ったペッツファーストのお店で、ノアに出会いました。ずっと保護犬に興味があったから近寄って行ったら、ノアと目が合ったんです。その時のノアはトイプードルというよりシュナウザーのようで、女の子にも見えなくて、寂しそうでした。
店員さんに説明を受けながら抱っこしたら、もう、「私が連れて帰らなきゃ!」って思いました。
(お母さん)
保護犬を飼うのは初めてなので、すごく心配しました。娘の気持ちは分かるけど、生き物は半端な考えでは飼えないし、ましてノアは人馴れしてなさそうな保護犬でしたし。
でも、みりが家に帰ってからもずっとノアのことを想っていたのと、ノアもみりにだけは心を開いているようだったので、お迎えを決めました。
(お父さん)
私は最後まで反対していました。
ノアが保護犬だからということではなくて、すでにマロンがいるのにもう一頭増えたら、その分お世話が増えて大変になるからです。それでも最後には二人に押し切られて、お迎えすることになりました。(笑)

お迎えして直後のノアは、とにかく逃げて大変!

(お母さん)
最初のうちはもう、怖がるし逃げるしでとにかく大変でした…。

初期のノア事件簿 -1- お散歩で脱走!

(お父さん)
男性が苦手なようで、私のことも怖がって散歩に行こうとしても逃げたり、散歩中にも2度脱走しました。リードが外れてしまった時にどんどん走って行ってしまって。運良く捕まえてくれた方がいて、本当に良かったです。

初期のノア事件簿 -2- お散歩で脱走!

(お母さん)
一番困ったのは、娘がいない時のお世話です。
この子はトイレのしつけがされていないのでおむつをしているのですが、うんちをしたおむつを取り替えたいのに逃げるんです。すばしっこくて捕まえられなくて、ノアが逃げながらお尻を振るから、家が悲惨なことになって…あれは本当に大変でした。
今はそういうこともなく、私にもお世話させてくれます。

慣れさせるために「隙」を見せる。そして半年後…

(みりさん)
ノアには安心できる場所を作ってあげたかったので、初めはケージの中に入れていました。私たちとはケージを隔てて一定の距離を保った状態で、少しずつ慣れていってもらおうと思いました。
そして、人間を怖がらなくなってもらうために無防備な姿を見せようと思って、私がケージの側で寝たりしていました。
そしたら半年くらいで慣れてくれて、私からは一切逃げなくなりました。
(お母さん)
私には最近やっと慣れてきました。おかげでみりがいない時もお世話できるようにはなったんですけど、未だになぜか、名前を呼んで触ろうとすると後退りします。
やっぱり、ノアはみりにだけ特別に気を許している感じがしますね。

みりさんとノアは相思相愛。
出会った時も、お店のスタッフにも懐かないノアが、みりさんだけには心を開く様子を見せたそう。
ノアはいつでもみりさんの帰りを心待ちにしています。

垣間見える、これまでのノアの境遇

(お父さん)
お迎えの時「飼育放棄が原因で保護犬になった」ということを聞いたのですが、男性を怖がるので、前の飼い主は男の人だったのでは…と思います。
撫でようとすると逃げるので、頭を撫でてもらったこともなかったのではないでしょうか。
(お母さん)
勝手な推測ですが、以前はあまり散歩に行けていなかったのかなと思います。
外に出ると何にでも興味を持って、お家にも一軒一軒入ろうとするし、階段にもどんどん上がって行っちゃうんです。車に乗っている時は、窓を開けてあげるとすぐ顔を出して、ずっと風にあたりながら外の景色を眺めています。まるで「お外の散歩が楽しくて仕方がない!」と言っているように見えます。
(みりさん)
ノアは生きる力がすごく強いです。ケージの上にブランケットをかけていても、それを押しのけて脱出していたり、暑い日は日陰を探して日陰に沿って歩いたりと、生きる知恵を持っていて、人間に頼らないで生きてきたんだなっていうのをすごく感じます。
人間に対しては臆病だけど、犬に対してはすごく強いです。マロンの居場所やおもちゃを横取りして、マロンが譲ってくれることも多いです。自分が生き残るために、他の犬には負けられないと思ってきたのかな…と想像しています。
(お母さん)
その点、マロンとはすごく対照的ですね。マロンは生まれて4ヶ月くらいで家に来たので、過保護気味の甘えん坊。2頭を見ていると、生きてきた環境が違うとこうも性格が違うんだなというのを感じますね。

先住犬のマロンは、お父さんが大好き!
私たちがお邪魔してしばらくは興奮して走り回っていましたが、お父さんに抱っこされるとこの通り、すっかり落ち着いて、ずっとここにいました。

「保護犬」を家族に迎えるということ

(みりさん)
保護犬と呼ばれる犬達は、事情はそれぞれ異なるとしても、保護犬になっている時点で、多少なりとも心に傷を負っている子が多いと思います。実際にノアを見ているとやっぱり、虐待されていたのかなって思うことも多いです。
そういう子たちをお迎えするなら、飼い主として「絶対にこの子を幸せにする」という覚悟が必要だと思います。
決して、半端な気持ちでお迎えするべきではないと思います。
(お母さん)
私たちも、ノアのこれまでの境遇は分からないけど、せっかく縁があってうちに来たのだから、ノアが楽しく幸せに生きていけるようにしたいなと思っています。

−−−生き物を飼うということの責任の重さ、そして「保護犬」をお迎えする上での覚悟の大切さを語ってくださった、みりさん。「絶対幸せにする」とのお言葉通り、ノアもマロンも、家族全員からたくさんの愛情を受けているのが見ていて伝わります。取材している間、私まで幸せな気持ちになりました。
ノアの家族になって愛情を注いでいただき、ありがとうございます。これからもノアとマロンとご家族みんなで、笑顔のあふれる素敵な毎日を送ってください!

取材担当:ペッツファースト株式会社 広報 森実咲

里親さんへのお手紙

秋山様へ

この度はインタビューをお受けいただき、誠にありがとうございます。
ノアちゃんの元気な様子をお伺いでき、大変嬉しく思います!
今回は同席できませんでしたが、また機会があればお会いできることを楽しみにしております。
暑い日が続きますが、ノアちゃん・マロンちゃんとお元気でお過ごしくださいね。
何か気になることがございましたら、いつでもご連絡をお待ちしております。

ペッツファースト保護犬担当 助川

保護犬Q&A

Q1 保護犬になる前の境遇は分かりますか?

A.保健所で保護理由が分かっている場合は里親さんにお伝えできますが、残念ながら詳しくは分からないことがほとんどです。
その子の様子からこれまでの生活環境を推測することはできますので、その子をよく見て、人の好みや怖がり癖なども個性として受け入れてあげてください。

Q2 しつけはできていますか?

A.犬によって、状況は様々です。お手やおすわりが初めからできる子もいれば、ほとんどしつけされていない子もいます。
しつけをする場合は、その子のペースに合わせてください。
ノアの場合はトイレのしつけがまだでしたが、すでに成犬であるため無理にしつけせず、おむつを履いています。

Q3 先住犬がいても大丈夫ですか?

A.様子を見て少しずつ慣らしてください。中には一頭で飼っていただく方がよい子もおりますので、その場合はお店でご説明させていただきます。
秋山家の場合は、マロンはノアより年下ですが、マロンの方が先住犬なので、ご飯やおやつは「マロンが先」を徹底しているそうです。


保護犬譲渡活動レポートVol.7は以上です。
次回の更新は、2020年10月を予定しております。

皆様からのコメント

タイトルとURLをコピーしました